ほくろとは

ほくろは私達にとって馴染み深いものです。ほくろが無い人はいませんし、顔にほくろの無い人でも体にはあるものです。古文「宇治拾遺集」の中にもほくろについての供述があります。生まれたときから体にあるもの、大きくなるにつれて出てくるもの、消えるもの、それぞれですが、古くから、このように馴染み深い存在であったことがわかります。

ほくろは黒あざの一番小さな形であり、その大きさは、大きなものから小さなものまでさまざまです。だいたいのほくろでは10ミリメートルを超えることはありませんが、4ミリメートルを超えるほくろがあると、見た目の印象が大きく変わるものです。形は大体円形で、平らなものから、盛り上がっているものとさまざまです。色は黒色や茶色、薄い茶色やねずみ色、まれに肌色のものがあります。

ほくろは、医学的には 「単純黒子」または 「色素性母斑」といいます。単純黒子は、黒い色素であるメラニンが皮膚の浅い部位にたまっている状態です。薄い茶色から黒色のほくろができます。しみに近い薄いものがあり、見分けにくいものです。大きさはだいたい1〜2ミリメートルと小さいものです。「くろあざ」や「しみ」もこの単純黒子と同じ皮膚の原理でできています。一方、色素性母斑では、「母斑細胞」というメラニン色素を持つ細胞が皮膚の深い部分にまで増殖した良性の皮膚病変状態です。次第に大きくなったり盛り上がったりするものです。

ほくろとよく似た状態の皮膚病にメラノーマがあります。ほくろが急に大きくなったり、急に盛り上がったり、出血が見られたり、だだれたり、色が回りにしみ出したり、と急変したときは、悪性の病気であることが考えられます。このようなときは迷わず病院へ行くようにしましょう。

ほくろを取るとガンになるという迷信のようなものがありますが、これは、とったほくろがほくろでなくメラノーマだったことに由来するものだと思われます。良性のほくろだと、とってもガンになりません。また、大きく形の悪いほくろがあるからと、取り除こうと針でつついてみたりすることは危険です。この刺激により良性のほくろが悪性のほくろに変わることがあるようです。刺激を受けやすい手のひらや足の裏にほくろがある人は注意しましょう。